いはさんへの一問一答
5月、AMV JAPANのメンバーでもあるいはさんが、今年をもって「あ・に・ぱ・る AMV/MAD FESTIVAL(以下AniPAFE)」の主催を引退される事を発表しました。(AMV JAPANからも、11月で卒業されます。)
今後、MAD界隈にも顔を出す事はほとんどなくなるという事で、いはさんに色々質問する機会は今しかないと思い、10月上旬、数人の参加者を集め、いはさんへの質問会を行いました。
この記事は、質問会の内容の一部を抜粋したものになります。
ゲスト:
いはさん(niconico)(Twitter)(ブログ)
日本最大級のAMV/MADコンテスト『AniPAFE』の発起人であり主催者。
AniPAFEの第1回大会(2011年)はzoome、2012年以降はニコニコを舞台に毎年開催していたが、2021年を最後に運営を引退する事を発表。
眼鏡が好き。
以下一問一答。
AniPAFE
–今年でAniPAFEの主催を引退されるとの事だが、MAD界隈からも引退という事か?
AniPAFEの運営会合には、少し顔を出すと思います。
–今年の引退はAniPAFE発足当初からの思いだったのか?
続けても良かったのですが、忙しく、Twitterにも来れないし、記事も殆ど書けないしで、無理だと判断しました。
–そもそも、AniPAFEを最初に企画しようとしたきっかけは?
ズミフェス※が、主催者の多忙で、なかなか次が出来なくて、MADイベントをやって欲しいと言う人も多かったですし、私もやる気だったので。
※ZOOME MAD FESTIVALの略。2009年にzoomeで開催されたイベント。銀_銀さん、いはさんが中心となって運営。
–AniPAFEを続ける上で1番のモチベーションとなったものは?
最初に最低10年はやろうと、自分の中で決めた事でしょうか?
AniPAL
–AniPAL※を発足したのはいつ?
zoomeの頃です。
※「Anime Parc Avenue~ AMV/MAD communications club JAPAN」の略称。AMV/MAD限定ではなく、イラスト、音楽、日常生活等、動画を使用した物であれば包括的に扱い、元素材や創作活動を応援する為のコミュニティ。
–お一人で立ち上げた?
一人ですが、大勢の方に御協力を頂きました。
(AniPALという)名前も私が付けた訳ではなく、公募しました。
–立ち上げたきっかけは?
イベントのためです。
–という事は、AniPAFEを開催するためのコミュニティとして、zoomeでAniPALを発足した?
zoomeでのイベントは、専用のコミュニティを作って、そこに参加者が動画を投稿するという形で行われていたので、コミュニティを作る必要がありました。
–ニコニコにもAniPALを作ったのは、zoomeの閉鎖が決まったから?
生放送が流行る!と思っていたので、生放送開始時に結構すぐに作りました。
アニメ
–一番好きなアニメは?
Zガンダムとエヴァ。
–Zガンダムを選んだ理由は
カッコイイ! 大人な感じも良い!と、子供心に突き刺さりました。
また、最終話に非常に納得が行かず、何故、こんな話を製作者(主に冨野監督)は作ったのか、必死に考えたのは、自分と他人の違いを理解し、他人の行動を許容したり、他人の行動を予測する訓練になり、私の人生に非常に良い影響を与えてくれたと思っています。
–エヴァを選んだ理由は
演出がカッコ良く、SFや心理学、オカルトまで含む複雑な設定が自分の好みにあっており、非常に衝撃を受けました。
多くの人の心情を揺さぶったエヴァンゲリオンと言う、この作品を見て、私も何か作りたいと思いました。人生に大きな影響を与えた作品です。
眼鏡
–眼鏡キャラを好きになったきっかけは?
知的なキャラが元々好きで、そこから眼鏡に至りました。
漫画を買う時は、パラパラっと見て、眼鏡が美しく描かれていたら買います。
眼鏡はキャラクターの顔と言う一番重要なパーツに、プラスされる物であり、重要な加点要素だと思います。
–おすすめの眼鏡キャラは?
FGOのマシュは、凄いと思いました。
武内さん(キャラデザの方)も眼鏡好きですが、ついに至ったなと。
同人誌時代(月姫より前)から、ずっと見て来ただけに、感慨深かったです。
–どういうところが好き?
性癖の詰め込み具合でしょうか?
巨乳、ショートカット、後輩、等々、好きな物を好きに書いたって感じで、やられました。
愛が全てと、思い知らされたと言うか。負けたと思いました。
サーバントの時に眼鏡を外すのも、私的にはありです。ギャップも大事!
–他におすすめの眼鏡キャラは?
マンガだとこの辺かなあw
https://comic-meteor.jp/omaera/
この人も、ずっと眼鏡っ娘を描いていて、ついに至ったなと。
–おすすめの眼鏡漫画は?
木根さんの1人でキネマ
https://seiga.nicovideo.jp/comic/15914
1本目から17本目までは期間限定ではなくいつでも読めます!
響~小説家になる方法~
https://www.shogakukan.co.jp/books/volume/42669
氷室の天地 Fate/school life
https://www.cmoa.jp/title/97029/
ブログ
–ブロマガの閉鎖に伴いブログを引っ越されましたが※、そこで今後記事を書く予定は?
1本は書いてます。それ以上書くかは、未定ですw
※引越先 ⇒ https://i-ha.hatenablog.com/
イベント
–これまで行ってきた中で、特に思い出に残っているイベントは?
全部です。合作や、縛りのあるイベント、リクエストイベント、海外イベントへの参加斡旋など、AniPAFE以外のイベントも様々に行って来ました。
akira02sumさん達とやったのも、良い思い出。運営を手伝って下さいました。※
※2013年~2014年のAniPAFE。専用のウェブサイトが存在した。
私ではない、他の方が主催しているイベントも思い出深いです。
今は、てんくんさんや、垢メインさん、山田もちさん、と乗り入れ可でやっていましたが、これも良い思い出として残ると思います。
–イベントを今運営している或いはこれから運営したいと考えている人に伝えたい事は?
運営をしていたら失敗もあるかと思いますが、みんな結構優しいですよ!って言いたいかなw
見向きもされないイベントもあるとは思いますが、ちゃんと成功する道筋を考えれば、必ず上手く行きます。
まず、どうやったら上手く行くのか、他の様々なイベントの良い所を見て、方法論を考えて欲しいです。
失敗したイベントを見るのも大事だと思います。過去に運営参加したイベントの失敗※から、私も学んでいます。
※旧2chで行われていた、最萌トーナメントの事。イベントは成功したが、多重投票や、荒らしなどの問題解決には至らなかった。
MAD
–いはさんがMADを作り始めた時期はいつ?
リニア編集時代です。
ビデオテープの前にも、カセットテープで曲を切り貼りしていました。ディスコミュージックにも影響を受けていたと思います。
–ディスコミュージックが好きだった?
あのころ、良く行ってましたw
–MAD作成からも引退?
作成から引退する事はないです。ずっと無期限休止状態。作る時間がないだけですねw
–合作とか誘ったらワンチャン参加してくれる可能性は?
余裕次第w
–今まで作った中で特に思い入れのあるMADを1本選ぶとしたら?
全部? 自分の中では、全部、子供の様な物で、愛おしいとさえ感じます。
一応、ZOOME THE FAINALって言うのが、模範解答でしょうか? 一番大勢の方に、協力して頂いた物ですからねw
–MADを作る上でのポリシーは?
誰か一人でも良いので、楽しんで頂ける物をと思っています。
その上で、原作や、視聴者との勝負でしょうか?
原作者や視聴者が、やられたって思える様な物を作れていたら嬉しいです。
–そのポリシーを一番貫けたと思えるMADは?
禁書※1や、クラナド※2は、評判良いので、勝ったのかなあw
※1「とある禁断の魔術書解題」・・・アレイスター・クロウリーによって書かれた禁書『法の書』を元に作られたMAD。
※2「ETERNAL CLANMAD」・・・『生まれた事は祝福』というテーマで作られたMAD。zoome閉鎖に伴い現在は視聴不可。
–「とある禁断の魔術書解題」を選んだ理由は
『法の書』について個人的に様々な書籍を研究し、意訳して作っています。鎌池先生より、詳しいだろ!って思ってますw
–「ETERNAL CLANMAD」を選んだ理由は
テーマかな。クラナドには、家族、町など様々なテーマがあると思いますが、その一部分を抜きだした感じです。
そのテーマでだけは原作に勝ったと思っています。
–いはさんにとって「AMV/MAD」とは?
様々な記事で同じ事を書かせて頂いています。
短い時間の中に映像と音楽、そしてストーリーを詰め込み、インターネットを用いて世界中で共有出来る最新の芸術形態。
これこそが「AMV/MAD」であると私は思っています。
引退
–引退に当たって、「これはやっておきたかった」みたいな、思い残している事ってありますか?
もう、MAD界隈は良い方向に行くだろうと思っているので、あんまりないです。
一時期、日本のネット上からは、AMV系のMADがたくさん削除され、ボーカロイドや歌ってみた、ゲーム実況等にも押され、完全に消えるまではなくても、ほぼ死滅するのではないかと感じていました。
海外でAMV/MADがたくさん作られ、特に中国等でもたくさん作られ、切磋琢磨しているのに、日本から手軽に動画編集に触れられるMADが消えてしまったら、動画編集の裾野が広がらず、ネットで大きな影響力を持つ動画の、その編集能力が、壊滅的なダメージを負ってしまうのではないかとも考えました。
もう、黙っていても、Youtubeやtiktokで作られ続けると思います。ニコニコは、がんばって!w
最後に
11月初旬、最後のAniPAFE主催を終えたいはさんに、追加の質問を2つだけさせていただきました。
以下質問と回答です。
–いはさんが主催する最後のAniPAFEが閉幕しました。まだ感想記事の執筆が残っているとは思いますが、とりあえず結果発表放送が終了したという事で、AniPAFEを終えた今の率直な気持ちを教えていただけますか?
やりたい事が多くて、運営からは引退すると言う物ですので、休む暇はないのですが、色々サボって休もうと思っていますw
人間には睡眠と同じで、休息も必要ですからw
–最後に、AMV/MAD作者の皆さんへメッセージをお願いします。
兎に角、楽しんで欲しいです! 楽しそうな場所にしか、人は集まりません! 人も、MADも増えません!
MADが増えれば、様々なアニメ作品を、多くの人に知ってもらえる助けになると思います。
MADが増えれば、ジャパニメーションが海外に広まる助けにもなると思います。
MADが増えれば、アニメがビジネス的に成功する助けになるかも知れません。
MADが増えれば、法整備の時にMADは無視されず生き残ると思います。
MADが増えれば、素晴らしいアニメが広まり、世界の道徳観念の構築に一役買えるかも知れません。
逆に、
MADが減れば、人生を左右するアニメとの出会いは減るでしょう。
MADが減れば、海外のアニメ制作会社や、無料ゲーム等に、日本のアニメは負けるでしょう。
MADが減れば、日本のアニメはビジネス的に失敗するかも知れません。
MADが減れば、法整備の時にMADは無視され、全てが消されてしまうかも知れません。
MADが減れば、世界の道徳観念は進歩せず、戦争や貧困が減るスピードも遅くなるかも知れません。
一人で作れるMADの数にも限りがあるので、私はイベントを行って来ました。
他にもイベントには様々なプラスがあると思います。
兎に角、楽しい事。たくさんのMADを、なるべく多くの人に見て頂く助けになる事。
コミュニケーションを取ったり、しっかりとした批評を受けたり、スキルアップしたいと言う前向きな人もいます。
MAD製作者は正直肩身の狭い存在です。削除もされますし、叩かれたり、荒らされたりする事もあります。
その為、似た様な境遇の人が集まれる場所が必要であるとも思いました。
私の手段はイベントでしたが、イベントでなくても良いと思います。
視聴も、コメントも、皆様の行動は、何一つ無駄ではありません。
たった1回の視聴も、MAD全体の一歩、アニメ業界の一歩、日本の、世界の、貴重な一歩です。
皆様の行動は、一つ一つが繋がって、今もう大きな波になっていると、そう感じます。
本当に、ありがとうございました!
以上。
いはさん、お忙しい中ご回答いただきありがとうございました。
そして、長い間、AniPAFE等々の楽しくて素晴らしいイベントを企画・開催して下さりありがとうございました。
本当に、今までお疲れ様でした。
インタビュー記事一覧
第1回:HIROKIさん
第2回:mizugorou_753さん
第3回:さんちぇさん
第4回:津名さん
第5回:まさか!さん
第6回:babanさん
第7回:Pluviaさん
第8回:大麦さん
第9回:こばやしさん
第10回:シャンリーさん
最終回:inaさん
番外編:いはさん
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