こばやしさんへのインタビュー(前半)

2022-07-24Column

AMV-JAPANでは2021年に、大体月1回程度でDiscordを使用したVoiceChat会を行っていました。
毎回ゲストを迎えてゲストに関連するお話しを聞く内容です。
9回目(2021/08/21)は、こばやしさんをお迎えしました。

こばやしさんは、非常にテンポの良いカット編集を持ち味とした、見ていて楽しいMADを作られるエディターさんです。
この翌月に開催されたAniPAFE2021の参加作『月・火・水・木・金!』は、総合賞3位に輝きました。

参加者は、

メインゲスト:
こばやしさん(@1kobayashi2mas1)

ゲスト:
HIROKIさん(@hirokism)
muzugorouさん(@mizugorou_15)
さんちぇさん(@3che3)
津名さん(@tuna_tuna_tuna)
まさか!さん(@masaka_bikkuri)
babanさん(@baban)

主催者(AMV-JAPAN):
いは
ころころ
じょん

でした。
以下、VoiceChat会の一部をまとめたものです。


ハンドルネーム

じょん:
こばやしさんの「さん」って敬称なんですか?自分のハンドルネームに敬称を付けるのは珍しい気がします。

まさか!さん:
こばやしさんの「さん」は太陽の「SUN」だって聞いたんですけど。

こばやしさん:
そうですそうです。
最初は英語の「SUN」でいこうかと思ったんですけど、敬称の「さん」でも良いし太陽の「SUN」でもどっちでも良いかなぁと思って。
たまに、こばやしさんさんって呼ぶ人もいますね。fceさんとか。

いは:
なんで太陽?

こばやしさん:
太陽って明るいじゃないですか。どっちかっていうとネガティブよりもポジティブな感じの名前にしたかったってところはありますね。

じょん:
本名が「小林 太陽」なのかと思いました。

こばやしさん:
そうではないですね(笑)

津名さん:
「小林 太陽」で「こばやしサン」だったらルー大柴みたいじゃないですか(笑)
でもちょっとそれ面白いですね。逆に有りだなって思っちゃう。

こばやしさん:
最近はもう、ややこしいんで「こばやしぃ!」でいってます。

動画編集を始めたきっかけ

じょん:
動画編集を始めたきっかけは何ですか?

こばやしさん:
「スプラトゥーン」というゲームに嵌ってて、ゆっくり実況を作ってみようかと思ってAviUtlをPCに入れたんです。
そのゆっくり実況が続かなくなってやめた時に、このAviUtlを使って何か出来るかなと思って。
で、blackさんのMADを良く見てたんですけど、それがきっかけでMADを作り始めたって感じですね。

じょん:
きっかけが、まさか!さんと似てますね。

まさか!さん:
まさにそうですね(笑)

こばやしさん:
blackさんのAngel Beats!のMADが私の切り貼りMADの原点です。

(sm27533405『WILD CHALLENGER』 作者:blackさん)

こだわり

津名さん:
今こばやしさんの動画を見てたんですけど、100本ぐらい作ってるんですね。

こばやしさん:
100本になりますかね。

津名さん:
凄いですよね。制作ペースも安定してるし。

まさか!さん:
初投稿からずっと月1本ペースで続けてましたよね。

津名さん:
2020年4月頃だと1週間に1本のペースで上がってて、どういう事なんだろうと思って(笑)

こばやしさん:
いやぁ今見るとおかしいですねそれ(笑)

津名さん:
それで、こばやしさんは切り貼りで作ってるイメージが強いんですけど、作る時に「自分の中でここは必ず押さえてます」みたいなこだわりってあります?

こばやしさん:
私作る時に、最初サビから作るんですよね。サビから作って、そのサビをゴールにしてるんですよ。
そっからAメロ作って、イントロ作ってって感じなんで。要はサビを先に作るとイメージしやすいんですよね。

私、1つのシーンを3秒とか4秒もたせるの凄い苦手なんですよ。だから色んなシーンをごちゃ混ぜにしてどんどん切り替えていくんですけど、どんどん切り替えていって、勢いのある所(サビ)に向かっていくって感じで、そこは意識してますね。

あとは、キャラクターが止まってるシーンを使わないんですよねあんまり。キャラクターが動く所を勢いでどんどん貼っていくって感じですね。
なのでサビから作っちゃうんで、アウトロが作り切れないんですよね(笑)

津名さん:
苦手とか難しいなと感じる部分を上手く外して作ってるなって印象を受けていて、曲の選び方が上手いなっていうのはいつも思います。
自分の得意な分野をちゃんと分かった上で作ってるんだなっていう、そこが一貫してるのが凄いなっていうのは常にこばやしさんの動画見てて思います。

こばやしさん:
ありがとうございます。

津名さん:
化物語のMADとかでsumikaの曲を使われてるじゃないですか。僕も、けいおん!のMADでsumikaの曲を使ってるので、アーティストが同じ曲のMADって結構意識して見たりするんですけど、全然違うなって思って見てました。

じょん:
こばやしさんはsumika率高いですよね。

こばやしさん:
作りやすいし楽しいですね。
per_secondさんのアイマスMADで「ふっかつのじゅもん」が使われててsumikaを知ったんですよ。
そこからsumikaを調べていって、良いなぁ良いなぁって感じでどんどん使うようになりました。

津名さん:
『MONSTER WORLD』あたりが一番こばやしさんらしいなっていう感じがして。

こばやしさん:
ありがとうございます。『MONSTER WORLD』もノリノリで作った記憶がありますね。

(sm31112841『MONSTER WORLD』 第3回ANIMAAAD祭参加作)

津名さん:
テンションを切らさず3分走れるってのは凄い技術だなって思います。普通だれると思うんですよね。
こばやしさんがさっきサビから作るって話してましたけど、僕は1から作っていくんですよね。最初が辛かろうが何だろうが、とにかく最初から作って繋いでいくので、パーツを組めないんですよね。
だから僕の作り方でやるとどうしても総集編MADになっちゃうんですよ。見せたい場所をサビとかケツに持って行きがちになるので、構成が似ちゃうんですよね。

まさか!さん:
津名さんの作り方は、意味とか文脈とかを重視してる感があって、こばやしさんは、見てて気持ち良い作りっていうのにこだわってるんだろうなっていうのは感じますね。

さんちぇさん:
歌詞も合わせてますよね。

こばやしさん:
歌詞は合わせてるんですけど、ちょっとずらすんですよね。歌詞より数秒後にそのシーンが来るようにしてる感じです。

さんちぇさん:
歌詞を合わせない所は、勢いのある気持ち良い所を上手く入れてる感じがします。

津名さん:
凄いエンターテインメントしてるなって感じます。
切り貼りでこういう合わせが上手い人っていうと、まさか!さんとかほりぞさんとか。この辺の系統で作る人いないかなっていうのは、常々イベントとかでは見てたんですけど、『MONSTER WORLD』は本当に、「これこれこういうの見たかった!」ってなって。
その辺りから、大体このテンポでこういう曲調だと、こばやしさんだなっていうのは分かるようになって。
一番それが確信になったのは『MAGIC』辺りで。正直再生して3秒くらいで、あっ、これこばやしさんだな。って思った(笑)

(sm31839294『MAGIC』 AniPAFE2017 諧謔賞1位)

まさか!さんとかとはまた違う上手さがあって。
僕本当こういうの作れないんですよね。だから羨ましくって。同じ題材で同じ曲使ってもこうは作れないなっていうか。
だからひっそりストーキングしてます。

こばやしさん:
(笑)

スタイル

さんちぇさん:
切り貼りのテンポとか凄い独特というか気持ち良いんですけど、これは独学で学んだんですか?それとも人に聞きながらですか?それとも自然とこういうスタイルなのですか?

こばやしさん:
基本的に私のMADはblackさんが元なので、blackさんのMADをとにかく見まくってたんですよね。
特に『ROLLING』っていうMADがあるんですけど、あれが凄い勢いあるんですよ。ああいうMADを良く見たりしてるんで。
で、どんどん作っていって、「こうしたら勢い出るんじゃないかな。」っていうのを試行錯誤しながらやってました。

(sm28428499『ROLLING』 作者:blackさん)

あとは、音MADを良く見るんですよね。
音MADって凄く音と映像がハマってるじゃないですか。普通に切り貼りとして見ても完成度高いですし、聴いてて気持ち良いですし。
音MADって速いのも結構あるんで、ああいうのを参考にしてますね。
3年前ぐらいだったかな。ルパンの音MADがあったんですけど、凄い参考になるんでかなり見てますね。

(sm33234479『LUPIN THE SWING』 作者:とそちかさん)

海外のAMVは見ますか?

さんちぇさん:
海外のAMVは結構見るんですか?

こばやしさん:
Twitterのタイムラインに流れてきたら見るぐらいですね。
あとはころころさんが投稿してくれるのを待ってるぐらいです。

さんちぇさん:
ここ2~3年、海外のAMVっぽい雰囲気を感じる時もあったりして。『YU・CHA・KU!』とか。

(sm37448500『YU・CHA・KU!』 AniPAFE2020 諧謔賞3位)

まさか!さん:
blackさんの作風とは大分違いますね。

こばやしさん:
『YU・CHA・KU!』は、ひっぴぃさんの『HAPPY』を良く見るので、あんな風な感じの作りたいなぁって思って色々試してたら出来ました。

(sm24573300『HAPPY』 作者:ひっぴぃさん)

印象に残っているイベント

じょん:
今まで色々なイベントに参加されてきましたが、特に印象に残っているイベントがあれば教えてほしいです。

こばやしさん:
「第3回ANIMAAAD祭」が特に思い出ですね。
エッティルさんが主催してるイベントなんですけど、第3回の参加作一斉生放送の時に『MONSTER WORLD』をトリで流してもらって、あの時は嬉しかったです。
第3回ANIMAAAD祭って、私が初めて自分から参加したイベントでもあるので。

その前はAniPAFE2016に参加はしてるんですけど、その時AniPAFEがある事自体知らなくて、たまたま9月に『Super Driver』を投稿した時にエッティルさんから、「AniPAFEっていうイベントがあるんですけど参加してみませんか?」っていうメッセージが来て参加したんですよね。

じょん:
AniPAFE用に作った動画ではなかったんですね。

こばやしさん:
そうですね。
その後、エッティルさんが主催してるイベントがある事を知って、初めて自分から参加したんですけど、このイベントを通じて色んな方と知り合えたんです。
私、元々ゆっくり実況がメインだったので、『Super Driver』を投稿したぐらいからMAD作るのやめようかなって思ってて。
その後何本か作って「もういっかな。」って思っていた時に、第3回ANIMAAAD祭で色んな方と交流が持てて、「なんかちょっと楽しくなってきたな」ってなって続けてるんで。
多分エッティルさんがいなかったら続けてるかどうか微妙ですね。


後半に続きます。

Column

Posted by John