さんちぇさんへの10の質問

2022-08-07Column



今年5月、AMV-JAPAN定例VocieChat会第4回の内容をまとめた記事『「津名」さんにインタビューしてみた!』が投稿されました。
その記事の最後に書かれていましたが、元々この定例会の内容は記事にする予定が無かった為、第4回より前の回は録音をしておらず、それらを記事にする事は諦めていました。

しかし、第4回以降を記事にするにあたり、それ以前に行った会の内容も少しだけでも記事に出来ないかと考え、第3回のゲストであるさんちぇさんに、「テキストでお送りする質問に改めて回答を頂く事は出来ないか」と相談させてもらったところ、有難い事に承諾を頂けましたので、10個の質問を選んで送らせていただきました。

ゲスト:
さんちぇさん(niconico)(Twitter

自然で丁寧なカット編集が魅力のエディターさん。
2011年に公開された合作「←←↑↑↓↓→→」は、ニコニコ動画でミリオン再生を記録する等大きな反響を呼んだ。
同年、日本のAMVチーム「Iori Studios」に加入。
また、世界20ヵ国以上からAMVエディターが集結したMEP「WORLDTASTIC」への参加経験も持つ。

以下頂いた回答です。


01. 「さんちぇ」というハンドルネームの由来は何ですか?

さんちぇさん:
Jリーグチームのサンフレッチェ広島のマスコットキャラクターのサンチェ君からです。
Jリーグ発足時からサンフレッチェをずっと応援してます。
※焼肉を巻く葉っぱとは全く関係がありません。

02. さんちぇさんは、2008年からニコニコ動画へMADを投稿されていますが、MAD制作を始めようと思ったきっかけを教えていただけますか?

さんちぇさん:
2004年頃に、当時普及しはじめていたハードディスクレコーダーを購入して、これさえあればPCを使ってアニメOPの曲を差し替えたりできるのでは?と考えて安価な編集ソフトを購入して一人で遊び始めたのが最初です。
最初はガンダムSEED DESTINYのOPの曲を差替えたり、ignitedでファーストガンダムMADを作ったりした覚えがあります。(この頃、MADという言葉は知りませんでした)

その後、2008年頃にニコニコ動画の存在を知って、MADというものを共有できる場があるんだ!と、投稿をはじめました。
インターネットのコミュニティについては相当疎く、2chやmixiさえもよく知らない人間だったので、最初はかなり勇気が必要でした。

03. オフラインで開催されているMAD上映会にも参加されていますが、いつから、どのようなきっかけで参加するようになったのですか?

さんちぇさん:
MADというものがアングラなこともあり、当時、上映会は表立って開催を公表されていませんでしたが、twitter等で何となく存在は知っていて、自分もいつか見に行ってみたいなぁ・・・とずっと思っていました。

ニコニコやzoomeでMAD投稿を続けていたことで、上映会の常連メンバーであるこうすけさんに名前を覚えてもらえたようで、彼が私の住む広島に長期出張に来ていた時にオフ会に誘ってもらえました。
その時、こうすけさんを通じて広島上映会主催の寄星蟲(きせいむし)さんymtさんとも知り合い、広島上映会に参加させていただいたのが最初です。(2011年3月)
初参加なのに自分のMADも流してもらえることになって凄く嬉しかったのを覚えています。
そもそも、自分の住んでる地元でも上映会が開催されていたなんて知った時は驚きました。
凄い幸運ですね(笑)

04. さんちぇさんが思う、MAD上映会の良い所・好きな所はどんな所ですか?

さんちぇさん:
・趣味のあう人と知り合えて直接交流できること。
・大画面でMADを楽しめること。
・更に、自分の好きなMADを集めて作品集として提出すれば、好きなMADを大画面で堪能できる。
・視聴者の反応を生で感じられること。(例えばネタに対する「笑い」等)
・ネットの動画と違い、巻き戻しの無い一発勝負で伝えなければいけないところ。
・約30分のMAD群で1つの作品集として構成する概念の面白さ。(作品集自体がひとつのストーリー仕立てになってるものもあります)
・普段、自分が見なさそうなジャンルにも触れられること。
・上映会でしか公開しない作者のMADが見れること

※AMV特集だって、流そうと思えば流せるんです!
じょんさんいかがですか!

じょん:
(⌒∇⌒)

05. 2011年には、日本初のAMVチーム「IORI Studios」に加入しました。加入のきっかけを教えて下さい。

さんちぇさん:
IORI Studiosリニューアル(?)の際にkirinさんに誘っていただきました。
その時のメンバーは、Pluviaさんryoさんすずれあさんkirinさん遠野さんにわとりさんだったのかな。そのあとPianoさんも加入されたと思います。

MEP – COLORiS
(sm16237034 IORI Studiosリニューアル記念MEP「COLORiS」)

IORI Studiosって日本初のチームだったのですね。実は詳細なルーツを知らないので、じょんさん今度教えてください・・・

じょん:
IORI Studioは、2009年に、kakuoさんキリンさんにわとりさんねこかんさん等で結成されたAMVチームだと記憶しています。
推測になりますが、2009年7月に公開されたMEP「Crossover」が結成のきっかけなのではと思っています。
2009年より前に日本にAMVチームが存在したという情報が、調べた限りでは見つからなかったので、私の中では日本初のチームという認識でいます(間違っていたらごめんなさい)。
MEP – Crossover
(sm7530269 Crossover)

06. IORI Studios内では、「MEP」や、「決められたテーマに沿った動画を各人が作って公開し合う企画」等が行われていて、さんちぇさんも参加されていましたね。IORI Studiosに所属してみていかがでしたか?感想や、印象に残っているエピソードがあれば教えて下さい。

さんちぇさん:
MEPでは、当時憧れだった作者さん達と合作できたのがとにかく喜びでした。
テーマ競作は「百合」と「古い曲(懐かしい曲)」の2回ありましたけど、皆が同じテーマでどんなものを作ってくるのか・・・、どんな個性が出るのかっ・・・ってのが、とても楽しかったです。
私も、普段であれば作れそうもない雰囲気のMADが作れた切っ掛けになりました。

【MAD】エイラとサーニャ
(sm20758106「エイラとサーニャ」IORI Studios Presents テーマ:百合)

【MAD】ヒューイとダリアン
(sm21241978「ヒューイとダリアン」IORI Studios Presents テーマ:古い曲)

07. 世界20ヵ国以上から30名以上が集まって作られたMEP「WORLDTASTIC 2」(2011年)、「WORLDTASTIC 3」(2012年)にも参加されました。どのような経緯で参加されたのでしょうか。また、海外の方との合作は初めてだったと思うのですが、参加してみていかがでしたか?

さんちぇさん:
確かkirinさんがtwitterで日本枠1名を募集されていたところに、私が手を挙げました。
(最初のWORLDTASTICではkirinさんkakuoさんgolko31さんの3人で参加されたみたいです)
自分なんかが日本代表になっていいんんだろうか?と思いつつ、当時はかなり勇気を振り絞りました・・・。


(「WORLDTASTIC 2」さんちぇさんパート ⇒ 0:52-1:06)

「WORLDTASTIC 3」は東日本大震災の後だったので、世界中が日本を応援してくれてるような気運のなかで着手されたMEPだったのが思い出深いです。
この時、kirinさんに「サマーウォーズでいきます」って伝えたら、「なんでサマーウォーズ?」って反応されたんですけど、編集したもの見せたら凄く納得してもらえたのが嬉しかったですね。


(「WORLDTASTIC 3」さんちぇさんパート ⇒ 6:39-6:51)

WORLDTASTICを切っ掛けに、海外の方(AiMayuraさんを通じてだったかな?)とも1~2回だったかMEPをする機会がありましたけど、言葉の壁が厚く、残念ながら長続きしませんでした。

08. これまで250本以上(!?)のMADを投稿されてきたさんちぇさんですが、その中で特に思い入れのある(気に入っている)動画を1本挙げるとしたらどれですか?良かったら理由も教えて下さい。

さんちぇさん:
【MAD】←←↑↑↓↓→→ (2011年) ※転載
【MAD】←←↑↑↓↓→→(再UP)
合作メンバー:はるはゆるさん(=銀さん、銀月はるさん)、もんじゅさん、kirinさん、あーくらいんさん、さんちぇ

私の心の師匠、はるはゆるさんに誘ってもらって参加した合作です。
当時、「矢印MAD」と呼ばれて爆発的に流行った複合MAD群の火付け役となりました。(と思ってますけどあってますよね?)
今でこそ、こういった同じアクション繋ぎやバケツリレーはよく見かけますけど、当時はメチャクチャ新鮮で、全てのパートが揃った完成形を見たときには気持ちよすぎて1日中リピートしてたのを思い出します。
この合作での経験が、自分のカット編集観にもかなり影響を与えてると思います。
(メリハリのあるカットの選び方・つなぎ方、動きの使い方等)

また、はるはゆるさんにはこの合作後も、綺麗なカット編集の仕方や、MAD観等、本当に色々教えてもらいました。

あと・・・、折角なので、もう目に触れることも少なそうな懐かしいものから1本。
【MAD】 トップをねらえ!-The TV-(sm7822060)(2009年)

zoomeの動画投稿サークルの「1000人&1周年記念 サークル動画祭2009」(主催 さちさん)に参加したMADです。
トップをねらえ!で「前期OP風MAD(sm7872315)」「後期OP風MAD(sm7822060)」「最終回ED風MAD(sm7872379)」の3本のMADを作って、それをひとつのMADとして纏めて構成したものです。
この変則構成が、結構目を引きまして18位に入賞しましたけど、今ではこんな発想や熱量は出てこないなぁと・・・思い出深いです(ノД`)・゜・。

09. さんちぇさんが現在、MADを作る(作りたいと思う)一番の理由は何でしょうか?

さんちぇさん:
自分の「好き」「楽しい」「妄想」等を自分なりの形で表現できることが凄く楽しいですよね。
しかもそれを皆に見てもらって反応・共感してもらえるんですから最高です。
100万人や10万人の人に見てもらいたい!とか贅沢なことは言いませんので(当然、見てくれたら嬉しいけど・・・)、同じ趣味を持つ人たちと、今後も一緒にMADを楽しんでいきたいので、作り続けていきたいですね。

10. 最後に、さんちぇさんが思うMADの魅力を教えていただけますか?

さんちぇさん:
自分の好きを詰め込んで何か作れること自体が楽しいんですけど、そこに自分なりの付加価値をプラス出来ること。
(例えば真面目なアニメに「笑い」を付加することも出来るし、例えば自分がアニメから感じた「感想」も付加することも出来るし、ストーリーを改変したりも出来る)

また、他の方のMADを見ると、その人の表現したいこと、付加したいこと、が伝わってくるのもとても楽しいです。
MADを通じてそういった交流が出来るところにとても魅力を感じています。


以上です。
さんちぇさん、お忙しい中、ご回答ありがとうございました。

後書き

さんちぇさんに色々なお話を伺う事が出来ました。
大好きなIORI Studiosのお話が聞けたのも興味深かったです。
これからも、さんちぇさんの好きが詰め込まれたMADを観れる事を楽しみにしています。

AMV-JAPANの定例VocieChat会は全11回を予定しています。
全ての回が記事になるかは分かりませんが、もし投稿された時には、閲覧していただけると嬉しいなぁと思います。

各回メインゲスト
第1回:HIROKIさん
第2回:mizugorou_753さん
第3回:さんちぇさん
第4回:津名さん
第5回:まさか!さん
第6回:babanさん
第7回:Pluviaさん
第8回:大麦さん
第9回:こばやしさん
第10回:シャンリーさん
最終回:inaさん
番外編:いはさん

Column

Posted by John